ダンボール箱を運び出す人々(2008.09.17)
アメリカ映画でおなじみの解雇になった人たちのリアルな映像をホンモノのマンハッタンのど真ん中で見ることになるとは、思ってもいませんでした。日曜日のリーマン・ブラザーズ本社前では、ダンボール箱を抱えたリーマンの社員が次々と私物の荷物を運び出していました。
雇用が流動化してきているとはいえ、日本の雇用慣習はアメリカに比べれはまだまだいわゆる「日本的」な部分を残しています。即日解雇され、私物をダンボール箱につめて即日オフィスを去るというのは、いかにもアメリカ的な光景といえます。そんなリーマンの社員たちをオフィス前で待ち構えて、名刺を配るライバル会社のアルバイト君がいたのにも驚きです。ライバル社へのおおっぴらな転職活動が自粛される日本とは何たる違い!
日本では会社からダンボールを運び出すといえば、引越しと夜逃げ以外では東京地検(あるいは大阪地検)特捜部による家宅捜査と相場が決まっています。
テレビを見ていていつも不思議に思うのは、特捜部の人たちはいつも2列縦隊で捜査対象の会社ビルへ入っていきますが、いつからその体勢で歩いてくるのかということです。想像するに、あれはマスコミ向けのサービスカットで、「ほらほろ、この会社は家宅捜査を受けるようなやましいことをやったんだぜ。全国ネットでお茶の間のみなさんに伝えてね」といっているのではないでしょうか。だから、会社近くの然るべき場所に集合し点呼した後、テレビ映りのいい人をなるべく前のほうにして隊列を組んで行進し始めるんでしょうね、多分。
マンハッタンのオフィスから私物を運び出すリーマンの社員は「ショックです」と一様にコメントしてるけど、それにしても、なんとなくカラッとしたドライ感を漂わせているのは国民性というんでしょうか。もちろん、高給取りのトレーダーなどはライバル他社からも引く手あまたでしょうけど、11年前に全国ネットのカメラの前で大泣きした山一証券の元社長の顔面がテレビで大映しになるたびに、雇用関係に関する日米の考え方の違いを改めて考えさせられてしまいます。


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