宿無しばばあの人生(2008.08.31)
渋谷で発生した通り魔の容疑者の前職は家政婦だったようです。
以前は大阪で家政婦紹介所に登録し、60歳過ぎまではそれなりの家庭に派遣されていたようですが、医療制度や介護保険導入などの影響で家政婦の需要が激減し、結局家政婦としては働けなくなり失業したとか。
その後は生活保護を受給していたようですが、家政婦の仕事を探して上京、しかしここでもうまくいかず、結局生活保護受給生活に入ります。
要するにかつては家族を持たない独り身の女の受け皿的職業であった家政婦の仕事が、時代の波に飲み込まれて需要が減ったため、代替職業技能のない高齢の女は国の支援を受けて生活する以外になかった。でも、件の通り魔ばばあはそれをよしとしなかったんではないかと思います。
79歳という年齢から、そのまま国の世話になっていれば(保護費の合計は約14万円ぐらいらしい)、贅沢はできないけれどもそれなりの平穏な人生の終焉を迎えられたはずです。それでも施設での規制のある生活を嫌って飛び出し、あげくのはては「警察が何とかしてくれると思って」通り魔という凶行をするに至った。
生活保護はイヤだけど警察の留置所ならいいというのはなんか矛盾しているようだけど、今まで自分だけで生きてきた数十年の彼女の人生を考えたら、わかるような気がします。
このばあさんも、社会構造の変革についていけなかった大多数の日本人のひとりかもしれない。たまたま運が悪かっただけで。


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