感動の作られ方(2008.08.17)
現在北京オリンピックたけなわです。
今年は大型テレビに買い替えたので、いつものオリンピックよりテレビ観戦時間が長いです(^_^)。
ところで、観ていてすごく気になったのは、日本での応援風景。例えば出場している日本人選手の母校の○○高校とか、地元の○○商店街のみなさんが体育館みたいなところに集まってテレビ観戦している様子をテレビ中継している。その選手がメダルを獲得したら:
「○○先輩、おめでとうございます!」
「やった!○○選手、おめでとう」
メダルを逃したら:
「よくがんばったと思います。お疲れさまでした」
「○○さん、残念だったけど、また4年後があります」
などなど。
まるで判で押したような決まりきったせりふで、学校の後輩や近所のおばちゃんがコメントします。テレビ的にはあらかじめ打ち合わせておいたか、あるいは最近の素人さんはテレビ慣れしているから、アドリブでもこのくらいのコメントはするだろうけど、はっきり言ってどうでもいい間の抜けた絵であります。
あと、メダルを獲れる確率の高い選手の家族(親とか配偶者とか子供とか)を競技会場で執拗にテレビカメラが追いかけること。メダル獲得の瞬間には、ここぞとばかりにマイクを突きつける。やれやれであります。
女子柔道の谷選手などは、本人が望んだかどうかはわかりませんが、わざわざ2歳の息子を試合会場に連れてきていたようです(後で新聞で読んだ)。宣言どおり「ママでも金」が実現したら、新聞の1面には息子とのツーショットは格好の絵づらになりますからね。このわざとらしさに、マスメディアのあざとさを感じたのは私だけではないはず。柔さんウォッチャーの亡きナンシー関先生が存命なら、是非コメントをいただきたいところです。
幸い(?)そういったメディア側の目論見は外れて金を逃してくれましたが、これで「子供を産んだアスリートは第一線では活躍できない」のメッセージ広く宣伝したようなもんではないですか、柔さん。
あと、試合前に事前に取材した練習風景や関係者のコメントを延々と流すやつ。これも、試合はいつから始まるねん!と思うくらい長い。ドラマ仕立てにもっていきたい気持ちもわかりますが、感動の押し売りは、もううんざり。コメントなしの試合風景だけ流す中継があれば、そっちにチャンネルを合わせたいもんです(BSかCSであるかもしれないけど、どっちも契約してないし)。
最近、スタンリー・キューブリック監督の名作「フルメタルジャケット」のデジタルリマスター版のDVDを観ました。この映画は私が名作映画のベストスリーのひとつに上げる作品ですが、出演者やスタッフが映像に合わせてコメントしている「特典」が見ものでした。
当時の出演者が出演する経緯とか、現場での監督のやりとりとか、なによりも、数十年ぶりに観る出演者がいい感じに老けているのに感動しました。この作品がつくられてからの年月を感じます。また、出演者が揃ってこの作品を自分の役者人生の中でのターニングポイントにあげていることろが興味深かったです。
殺人兵器が製造される過程を淡々とした中にもショッキングな映像でみせている戦争映画の金字塔です。感動とは、こういったプロが入念に作りこんだ作品の中にあるのではないでしょうか。


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